《MUMEI》
知った過去
   〜歩視点〜


涙を流す麗羅チャン。


その横で

麗羅チャンをさすりながら

同じく涙を流す栄実。


下を向いて


口をギュッと閉じ


何も言わない海。



小さい頃に


沢山辛いことが


あったから・・・。


人間と付き合うことが


怖くなって当たり前だ。


本当のお父さんじゃないけど


大好きなお父さんから


"お前のこと本当の娘だなんて

思ったことなかったよ"


なんて言葉が出てきたら・・・


考えただけでも


辛い・・・。


そしてお母さんからは


"あんたなんか


産まなければ良かった"か・・・。


自分の1番信じてた人から


自分の存在を


否定された言葉・・・。


それでも泣かなかった麗羅チャン。


いや・・・泣けなかったんだろうな。


自分でお願いして


覚悟して聞いた話だけど・・・。


何もかける言葉が


見つからない。


ただただ麗羅チャンを


見つめていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫