《MUMEI》 編入一日目1「あ〜天月。この学校はどうかー?校舎は綺麗やろがー?この町も山に囲まれていて空気も綺麗ぞー」 「そう…ですね」 先生からかけられた言葉にあいずちをうちながら、今歩いている廊下を眺めた。 確かに綺麗だ。創立してからまだ10年もたっていないらしい。 「緊張してるのか?まー俺のクラスは問題児が多いが基本的優しいやつばかりだ。ほんと、異常にうるさいが……仲良くなれそうか?」 「どうですかね」 先生は確か野口智(ノグチ サトシ)という名前だ。見た目的に40代だろう。 先生は今、自分のクラスがうるさいと言った。だが今まで通ってきたクラスも十分うるさい気がするのだが… 「ここが1年4組だ。自己紹介をしてもらうから考えておけよ」 「はい」 あぁ……今やっと先生の言っていた意味がわかった。 確かにうるさい。話し声や笑い声が物凄く響いてる。 「静かにせんかー」 教室に入りながら野口先生は生徒たちに注意する。 「お!ぐっちゃーん、おはよー」 「ぐっちゃん遅刻ばい!30秒遅刻〜」 ぐっちゃん……野口先生のことだろうか… 「ぐっちゃんって呼ぶなー。野口先生だ」 先生と生徒の会話を聞きながら、生徒たちの言葉が訛っていることに気付く。 さすが、田舎なだけある。 前へ |次へ |
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