《MUMEI》 編入一日目2「朝礼始めるぞー。今日は編入生が一人おる。天月凛さんだ。じゃあ自己紹介を」 「え、マジだー!編入生やん!こんな田舎にめっずらしー」 「よっしゃ、女の子だー」 ジロジロと生徒からの視線が集まるなか、凛は心の中で現実逃避をしかけていた。 さっき先生が言ったとおり、このクラスは問題児が多い。 まず、クラスのほぼ全員が先生を“ぐっちゃん”と呼び、タメ語。 全然静かにならないし、朝礼がもう始まっているのにもかかわらず、今だに席を立っている生徒もいた。 はぁ…絶対このクラスではやっていけないな 「だから静かにしろ!自己紹介ができんじゃんか!」 「ぐっちゃーん、そんな怒るなって!」 何を言っても聞かない生徒に呆れたのか、注意するのをやめ、凛に自己紹介をするように言ってきた。 とりあえず、名前を言っておけばいいかと思い、口を開こうとするとそういう時だけ静かになる1年4組の生徒達。 「天月凛です」 沈黙が流れる。 「天月ー。それだけか?」 「はい」 それ以外何を言えというのか。 「そ、そうか。じゃあ天月の席は窓際の一番後ろな」 「はい」 前へ |次へ |
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