《MUMEI》
編入一日目4
「ふっ。なんかつれんね。俺嫌われちゃってる?」
「別に。あえて言うなら話しかけないで欲しい。多分斎藤君のせいで女子全員を敵にまわした」

凛は顔色いっさい変えずに淡々と返事をする。

「じゃあ俺と友達になろうばい!よし決まり!俺ら友達やけん、名前で呼べよ!」
「ちょっと!私は…」

勝手に決めていく斎藤の言葉を拒否しようと言い出したところで、一限目を知らせるチャイムがなった。

はぁ、何この人…自分勝手にも程がある。

それから斎藤は事あるごとに凛に話しかけ、その度凛は女子からの殺気こもった視線を受け止めることになった。

「はい、じゃあこれで四限目の授業を終わります。復習をしておくように」

四限目が終わり昼食の時間となる。

あ、どうしよう…学食のある場所知らない。

この学校に学食があることは知っていたが凛は今日初めての学校。

場所を知らないのは当たり前のことだが、凛には教えてもらう人もいなければ一緒に昼食を取る相手もいない。

「あれ、天月昼ご飯は?」

今日から友達だから名前で呼べと言ってきたのに、何故か苗字で呼んで来る斎藤。

彼にとってあの会話は挨拶程度のものなんだろう。

「あ、もしかして学食?連れて行こっか?」
「え、いや別に…」
「おお!流星積極的〜!やっぱ女好きやな!俺らのことは気にせんでいいけん、二人で行って来んね!」
「ああ、そうする!」

何故男子というものは、こう自分勝手なんだろうか…

結局話は進んで行き、凛は斎藤と二人で学食に行くことになってしまった。

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