《MUMEI》

「卒業試験は簡単です。第一部は2分以内に100の的を壊すこと。二部では実戦形式で教官と戦って貰います。」

演習場に呼び出された受験者の3人。正面には担当の教官。そして離れた席にはフェッセン征空団のクレッセルと副官のコーネリアがいる。

「まずは第一部を開始します。召喚獣は何体使用しても構いません。」

すぐにかかしの的がバラバラに配置された。ルシアの次にカノン、そしてラフェルの順に挑戦する。教官や受験者が定位置についた。

「では、はじめ!」

大きな音をたて銅鑼が鳴らされる。と、同時にルシアはアルギエルを召喚した。次々と魔力の塊がかかしを粉砕して、残り時間を半分以上残しクリアする。

「次、カノン。」

「はじめ!」声と同時に銅鑼が響く。レアンと白い竜、ジンは次々とかかしを切り裂いていく。時間に余裕を残し、クリアした。

「ラフェル、はじめ!」

ファルティーテがリング状の炎を発生させ、一度に全てのかかしを消滅させる。




「第一部、全員合格。休憩をはさみ、第二部を始めます。」

休憩と言っても5分程度の休みで召喚の疲れをとるためには足りない。3人が別々の所で休憩しているとき、ルシアにクレッセルが話しかけてきた。

「飛行系統使うならはよ言ってや〜ウチ大歓迎やし。なぁ?」

副団長のコーネリアも同意する。

「ありがたいですけど、カノンも飛行系の最上級いますよ?」

「あんなでかいの着艦したら落ちるで」

クレッセルが苦笑混じりで指摘する。確かに、飛行船に着けるには少々大き過ぎる。

「人と同じサイズなら問題ないしな、どうや?」

クレッセルはどうやら本気のようだ。ルシアも行き先が決まるのは、願ったり叶ったりである。

「…わかりました。」

「なら第二部も頑張ってや?期待してるで」

ひらひらと手を振り元の席へ戻っていった。コーネリアも一礼してから上官の後ろをついていく。



「第二部を開始します。対象者は定位置に。」



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