《MUMEI》
一枚のチラシ
「はぁ〜」

もう暗くなった裏路地を、一人のサラリーマンが歩きながら溜息をこぼした。

彼は今28歳の会社員。仕事が上手くいっていないようだ。

「あのクソ課長、あんなに仕事押し付けやがって!残業だよ!」

そんなに声を出したら近所迷惑だ。いつもの彼ならそれに気付くが今日は結構行き詰まっているようだ。

「腹減った〜」
「あらあら、そこのおじさんっ♪疲れているようだね!」
「ああ?」

今までどこにいたのか、突如現れた一人の少年。
15歳前後の幼さの残る顔を持つ少年は彼の前までテクテクと歩いてくると、手に持っていた紙を広げた。

「おじさん、今お腹すいたって言ったよね!そんなおじさんにオススメの店があるんだ!」
「お前誰?」

普通、初対面の人に一方的に店を紹介するなどありえない。ましては、こんな少年が。

「んー。通りすがりの少年です!それよりここ行きなよ!」

そんな怪しげな少年が纏う空気も少し変わっていることに気付く。そして、少年が持っている紙も。

『開店時間……21:00 閉店時間……2:00 この裏路地を歩いて行けば右手にある、緑色のドアをノックしてください。従業員が出てきてお客様を満足させます』

胡散臭い。一番最初にそう思った。
店名の書いてないチラシ。彼はそんなものを初めて見た。


ーあとがきー
中途半端なところで終わってすいません!このお話は会えて主人公の名前を決めませんでした。

少し…いや、かなり変わった裏路地にある料理店。前から書いてみたいと思っていました。

どうぞお楽しみください!



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