《MUMEI》

巨体のドラゴンには不向きな相手ではあったが、レアン本人は機動力で負けていない。ドラゴンのジンもデスサイズの行動範囲を狭めるかのような動きをみせている。

「レアンさん!頑張って!」

デスサイズの大きな鎌をかいくぐり、レアンが間合いを詰める。レアンが腕を切り上げ、デスサイズの手から鎌が放り出された。

「!!?」

腕の傷は大したものではなかったが、致命的なのは鎌を落としたこと。デスサイズは鎌以外の武器は持っておらず、慌てて拾おうとレアンから集中が逸れる。それを見逃す訳がなかった。


レアンの一閃がデスサイズに命中し、撃破される。拾った直後なため、受け身が取れなかった。初めはレアンの攻撃を凌いでいたデスサイズの、一番の命取りはやはり鎌を落としたことだろう。

 


足早にカノンが戻ってくる。次いでラフェルが呼び出された。 教官はフレアウィッチと言う炎の魔女、ラフェルはファルティーテを召喚する。

「はじめ!」

炎と炎の撃ち合いが始まる。上級なだけあってフレアウィッチの炎も、ファルティーテとやりあうだけの火力があった。

「…それだけかい。つまらないねぇ。」

ファルティーテがぽつりと呟く。“それだけ”、それは炎を撃つしか能がないという意味だった。


槍に炎を纏い、突きの要領で突撃する。ウィッチは弾こうと炎の球を幾発も撃ち出すが、その炎が全て槍の炎に吸収されていくのだ。そのまま槍が貫き、勝敗が確定する。ラフェルの勝利だ。




3対3の戦闘は、実績により免除。晴れて卒業となった。

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