《MUMEI》 次の日の学校6:30にセットした目覚まし時計がなり響く。 昨日はあれから斎藤を学食に残したまま教室に戻った。 親切にしてくれた彼に対し罪悪感はあったが、それよりも学食にいる女子生徒からの視線に耐えられなかった。 それから先は斎藤と一言も口を交わすこともなく、終礼が終わると同時に教室から逃げ出すように出ていった。 「はぁ…憂鬱、だな…」 学校に行きたくない。斎藤に会いたくない。 だが編入二日目から休むわけにもいかなく、重い足取りで学校へ向かった。 じろじろといろんな所から視線を感じる。 「ああ、あの人。昨日斎藤君と昼ごはん食べよった子」 「編入してきた人やろ?マジなん?斎藤君と二人でとか。調子乗っとるやろ!」 うう…罵声が…… これは相当ヤバイことになったんだな… 校舎の中に入るなり、注目の的。 そして教室でも…… 「あ、天月さんだ!昨日どーやった!?斎藤との昼ごはん」 「めっちゃ有名になっとるよ!!」 男子から意味のわからないことを言われる始末。 しかし、女子が話しかけてくることは一度もなかった。 前へ |
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