《MUMEI》
召喚士ルシアと廃要塞の決戦
遙か昔、王国のある地域を支配した国が残した要塞。今は使われていない要塞は、中央に巨大な塔があり、それを囲むように兵舎がある。要塞は王都より離れていることと、森林に囲まれているもあり、観光客が訪れる程度のこの場所に、異変が起きたのはクレッセルの講演のわずか3日後の話。



観光客をアンデットモンスターが襲った。この辺りにはマノロア傭兵団なる中堅傭兵団が、拠点にしていることもあり、めったにモンスターが見られない、比較的安全な地域とされていた。しかも、それは一件ではない。そして要塞に近づけば近づくほど、モンスターが増え、要塞に入れない程だった。



困り切った傭兵団は付近の傭兵団、自警隊、そして王都警備隊にも救援依頼をした。フェッセン征空団も依頼されたこともあり、他の隊が集結するのを待つため、付近の村に船を停めていた。

「なんもないとこから、モンスターが沸くなんてなぁ…」

作戦会議として、クレッセルが船の食堂にメンバーを集めていた。皆初めての事態であり、困惑しているのも事実だ。他の警備隊や傭兵団の人々もこのようなことに混乱していた。

「空中戦専門の僕らは後衛に回った方が良いのでは?」

クロウの提案には皆概ね賛成だった。兵舎のある地帯は別として、塔の内部は天井が低いと地元の召喚士たちに聞かされていた。

「せやなぁ…下手に前に出ることもないやろうか…。まだ現場見れてないしなんとも言えんけど。」

船で上空から見た時は、確かにモンスターの姿が見えていたが、塔の内部がわからい。現状、臨機応変に頑張れとしか言いようが無かった。


この廃要塞での戦いが、新たな力を呼び寄せることになる。



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