《MUMEI》
葉月
オムライスを食べ終わり、葉月を寝かしつけて、皿洗いするとやっと私の時間ができる。


私は、幼い頃から親が共働きだったから寂しいという感覚が少し麻痺している。

遥が居たからかも知れないけど、私はあまり親に甘えなかった。寂しがったりもしなかった。

そんなことしても、かまって貰えないって分かっていたから。



本当は寂しかったのかも。
他の子と同じように、お帰りっていって欲しかったし、ただいまって言いたかったのかも。


だけど、今となってはそれは、叶わなかった、幼い頃の願望。


葉月には同じ思いをさせたくない。

だから私は葉月を可愛がるんだろうか。

葉月には真っ直ぐ、いい子に育ってほしい。

今はそれが叶えられれば、最高だ。

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