《MUMEI》
直哉視点
「なお…」

「あれ……ゆう…?」



帽子を深く被った男がスッとサングラスを外した。


「久し振り」

見慣れた愛しい恋人の顔が現れた…。








「なんもバイト先まで来なくたって…
アパートで待ってればいーのに…、
寒かっただろ?何時からいたんだ?」






俺は原付を押しながら裕斗の歩調に合わせる。




また…コイツ…会わない間に綺麗になりやがって…。





ドキドキするな…。




「んー、一時間ちょっとかな…、なおは今、前より長くバイトしてるんだ」




「…ああ、誰かさんがかまってくんねーからすっかりバイトの鬼だよ、
…なあ、もう溜まりまくってんだけど、これから…抱かせろよ」





姿視ているだけでゾクゾクして堪んねーし…。




俺は辺りを見渡し、誰も居ない事を確認する。

そして原付を素早くロックし…




「ゆう…ゆう…」





俺は裕斗の腕を掴み、細い躰を腕の中に抱き込んだ。






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