《MUMEI》
あの頃の私-2
 しかしそれがどうだろう。こうして、大学に通おうとしている。
人の人生というのは、本当に分からないものだ。
それだけに、当時の自分にたいする喜びは、半端なものではなかった。
 私が大学へ通った理由は、音楽の教員になりたかったからだ。
高校の頃、ピアノが大層上手な先生が居て、特別得意なものを持っていなかった私は、その先生に憧れたのだった。
わたしはそんな単純な人間でもあったため、大学へ行くことにしたのもそれほど悩みもしなかった。
ありがたいことに、両親もそれを快く受け入れてくれ、半年アルバイトで一定の資金を蓄えたなら、大学へ行っても良いと言われた。
とにかくやってみたいから行く、ただそれだけ。他には何もないスタートだった。

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