《MUMEI》

「ねぇ、神崎さん。今日から授業だね」


「あっ、うん!そうだね!」


いきなり声を
かけられて
肩が飛び上がるくらい
びっくりした。


声をかけてくれたのは
私の席から見て
右ナナメ前に座る
ショートヘアの女子。
名前は確か……



「中辻さん、授業嫌なの?」


「そりゃ嫌だよー!青春すんのに勉強なんかしてらんないって」


ケラケラと笑う
中辻さん。
冗談混じりの
台詞に思わず
私も笑ってしまう。


「学生の本分は勉強だよ?」


「うあー神崎さん真面目!真面目かよ!青春しなきゃ駄目よー?ガリ勉なんてなっちゃ駄目だかんね!」


「あははっ!勉強は好きだけど、そこまではならない……と思うよ」


「勉強好きって時点で私と正反対だー……」


「じゃあ中辻さんは不真面目ってことかな」


「うおぉう、言うねぇ」


会話が続いて
二人して笑ってた。



「私、凜華。凜華でいいよ。これからよろしく」


「私は桜。凜華ちゃん、よろしくね」


予鈴が鳴って
皆が席につくのを
横目に見ながら
私達も最後に
そう言って
黒板に視線を移す。


と同時に入ってきた
北島先生。


担当教科は数学と
昨日説明されたけど
今日の1時限目は
数学なのかな。



朝のHRも終わり、
予想通り
授業は数学から
始まった。

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