《MUMEI》 キャンパスライフ-1実際通いだすと、私のような思いでここへ通う人もたくさんいることに気づいた。内心ほっとしたし、勇気も沸いた。 また、ここにきて良かったと思った。 そんな人々の中に彼を見つけた。 そう、私は恋をした。 しかしそれは、華々しくも、メルヘンチックでも、ましてや情熱的でもなかった。 開き懸けて落ちてしまった、花のつぼみの様な、淡くはかない恋いだった。 その彼との接点はただ一つだった。 海外の音楽文化について学ぶ講義で、ほぼ毎回近い席に座っていた人だった。 はじめはどうとも思わなかった。ただ同じ講義を受ける仲間だった。 それが恋へと変わったのは、5月のよく晴れた日のことだった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |