《MUMEI》
仲良し編
「あれ?さくらん、なんか機嫌良いねー」


「えへへ……分かります?」



学校からの帰りで、
途中で美鞠さんと
会ったので
一緒に帰宅してる
ところだった。


「クラスメートと仲良くなったんだー!一緒に帰れないのは残念だけど、近いうち勉強会することになったの!」


嬉々として話す
私とは違い、
美鞠さんは少し
不満げな眼差しで
私を見た。


「いーなーさくらん。私なんか教室に入った瞬間に逃げられちゃうんだもん」


「え……逃げられ……?」


「勢いよく入ったのがまずかったのかなー?仲良くしたかったのにー」


多分、一歩目を
間違えたんだろうな。


美鞠さんの言う
勢いよく入ったって
いうのは、つまり
クラスメートを
脅かしたってこと
だよね……


美鞠さん、なんか
色んな噂が
立っちゃってる
みたいだから
また誤解された
可能性高いなぁ。


普通にしてれば
良いのに。



「普通にしてればいつかは仲良くなれるよ。皆びっくりしちゃっただけなんだよ、きっと」


「そーかなぁ?なんか私を見た瞬間異形なものを見る目になったんだけど」


それは多分
日頃の行いのせい
……とは言えない。


「あはは……は……」


笑って誤魔化すしか
方法が浮かばなかった。

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