《MUMEI》

「あーーーもう!こうなったらヤケクソだあ!ランランの部屋に奇襲してやる!!」


「えっ、ちょ、そんなことしたら……!」


椿さんが
気絶しちゃうんじゃ、
と言葉を続ける前に
去ってしまった。


矛先が椿さんに……!



椿さんの
女性恐怖症って
もしかしなくても
美鞠さんが原因?



「おい……百合坂がすごい勢いで走って行ったけど、なんかあったのか?」


「あ、蓮華くん!」



後ろから声がして
振り返ると
蓮華くんがいた。



「美鞠さんが椿さんの部屋に奇襲するって言って走っちゃったの……椿さん大丈夫かなぁ」


「ああ………」


憐れみの目で
遠くを見つめる
蓮華くん。


「あいつ、また椿を精神的サンドバッグにするつもりだな……」


「え、さささサンドバッグ!?止めなきゃ!」


「あー大丈夫。いつものことだから」


「ええっ!?止めなくて良いの?」


「椿ももうだいたいパターンは読めてるだろうし、心配ない」



パターン化する程
頻繁にある
ことなの!?



「ま、ほとぼりが冷めるまで寮に戻らない方が賢明だな」


「そ、そうなの……」


じゃあ私どうすれば
良いんだろ?
所持金ないから
お店にも行けないし



……あっ、でも
お母さんからカード
渡されてるから
それでなんとか
時間潰せるかな。



「暇だし、どっか行くか?」


「へ?」



鞄の中を見て
カードを確認して
いたら、突然
蓮華くんが
そんなことを
言い出した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫