《MUMEI》
不条理な夢の磁力
感情の起伏が激しく、何

に対しても酷く悲観的で

鬱を患うメンヘラ少女の

ワタクシは自発的に暇に

任せて大学ノートの余白

に官能小説を綴っている

筈であるが、誰しも実際

の経験に先立って確実と

信じている似非官能小説

めいた展開を無意識にも

夢想し、参照する事なく

自分の行動を選択する事

は不可能な上に鬱を患う

メンヘラ少女である私の

行動原理は淫らな女の孕

む不条理な夢の磁力、と

云ったシロモノであり、

ヤバい時に恰も頭の上に

餃子を乗せられて意表を

突かれたビタミン不足の

オバケのように一目散に

遁走した事実を詫びる事

なく、仮初に暗黙の了解

の禁忌として存在し得る

以上、その暴露やら発覚

を周到に避けて行動して

然り、なのに、そんな風

な様子は微塵もない弟や

私の自国民の奴も主体的

な決断力と明晰な意識を

備えて行動していない。

今、私の国民と認定した

マジ基地ファッカー集団

の中の一人の若い殿方は

老舗和菓子店を細々と営

む比較的に貧しい両親の

元に運悪く生まれ落ちた

ワタクシが家事労働を終

えるのを、一つ60円の

毒饅頭と無料のお茶で、

何時間も待っている。

「オカワリデスカ?」私

は頭に来て外人のような

変な発音になっていた。

「マシュマロのような君
の頭毛の髪容が好い」と

割合落ち着いた調子で呆

れる程御託を並べる奴は

メイド風の制服姿の私の

括れた腰に手を添えて自

らの膝の上に股を開いて

ランジェリーパブの様に

何ら不透明さもなく鎮座

させて布越しに勃起した

チンポを栗とリスに否応

なく触知させてしまう。

「ダメ、見てるわ」「僕には別に関係ない事さ」 (僕って云う顔か?)。

マジ基地ファッカー集団

の割に奴の背は高いし、

身体は筋肉質だし、残念

な事に美しい顔立ちだ。

殿方の肩越しに見た嫉妬

した弟は恰も苦虫を噛み

潰したような顔である。

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