《MUMEI》
野生児
その日も即席ラーメンの

袋を片手に肩先に水筒を

吊るして廃屋を訪れた。

叢の中でアルミ鍋と井戸

を発見していたから即席

ラーメン作れるぞ、と思

う訳でポンプ式の井戸の

水をキュッキュッてして

ドバドバと茶色い水を流

してると透明な水が出て

来た。何やらムシムシ蒸

し暑いから全裸になって

水を浴びていると、一人

じっと夕日と雲に見入る

漁師の老人のような少年

が呆けた表情で素っ裸の

私の胸元を見て下腹の辺

りを見て観察していた。

刹那に烈しく交錯する熱

い視線、「また大嫌いな

阿呆のコが来るわ」と云

うような視線で凝視する

コチラを尻目に、野生児

は「うほっX2(猿か?)

エロー」て口走った。近

くに来た野生児は「この

界隈で見慣れない女のコ

だね、何処から来た」と

割とフツーに口走った。

そして、落ち葉を集めて

即席ラーメン作って2人

で分け合って喰うと妙に

仲良くなりましてSEX

しちゃいました、、とさ (。ノ(ぇ)○)(。○)く。

床板に散乱する煙草の吸

い殻やら空き缶、決して

快適とは云えないが、当

の異様な雰囲気の廃屋の

空気は恰もペパーミント

のような冷気を孕んでて

涼風が吹き込んで来た。

「その代わり冬場は」と

云うバスケットシューズ

の他は何も纏っていない

私の口を手で封じた奴は

「しーっ、誰か来る」と

声を小さくして云った。

ポキッ、ポキッ、耳を澄

ますと落ち葉やら枯れた

枝を踏む素性の知れない

人物の足音がコチラの方

に接近して来るような。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫