《MUMEI》 黄泉つ喰いオリエンテーリング中に 道に迷って心細くなった ボーイスカウトの少年達 が歌う「いやさか」って 云う薄気味の悪い歌声に ビックリさせられた私は 詳述するような事は何事 もなく自宅に帰ったが、 ウチは老舗和菓子店とは 名ばかりの、ちょんの間 と云った名前の非合法の 性風俗店でもなく、両親 は貧しいながらも仲良く 老舗和菓子店を細々と営 んでいた。少しじゃない メッチャ変だ、平行世界 で意識覚醒したみたい。 フレミングの左手の法則 がミンコフスキー空間に 影響を波及させたのだ、 と云った事にして曖昧な 現実を生きて遣っても良 いと思っていたら悪夢を 見た。廃屋の床が抜け落 ちて私の足を誰かが強い 力で引っ張っていた夢。 (∂∬ ̄3 ̄)姫(・(ぇ)・。)「貴女は何者ですか?」 と訊くと「毘遮舎鬼って 云う名の鵺の類である、 瀬戸内ジャクリーンと呼 んでくれ」と阿呆らしい 事を口走るから驚いた。 「よいしょ、悪霊の私は 妖刀(たまゆら)と一緒に 当神社跡の床の下に封印 されている、その封印を 解いてくれたら汝を元の 世界に戻して遣ろうぞ」 と口走る謎めいた少女は 戸外の初夏の風景に視線 を定めていた。その姿は 美しい、と云った事の他 は至って平凡に見えた。 「迷惑とは思うが、封印 を解け、褒美にこの刀と 腐女子のお前の肉体と美 しい顔立ちの少女の私の 肉体を交換して遣ろう」 と口走る自惚れの強いお 化けは頭の上に餃子を乗 せて一回転して見せた。 (∂∬∋十3∈)d>(∈。)「何の意味あるんだ」。 前へ |次へ |
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