《MUMEI》

蓮華くんの言う
ショッピングタウン
とやらについた。


そこでは色んなお店が
建ち並び、
女の子向けの
おしゃれな店から
男の子に人気のありそうな
渋い店まである。



「どこに行く?ここなら大抵は揃ってるぞ」


「んーと、じゃあ……あそこ!あの店行きたい!」



宝石みたいに
キラキラしてる
可愛い飾り付けが
してある店を
指差すと、
蓮華くんは渋い表情に
なった。



「いきなり高級な店かよ……いいのか?あそこで」


「高級?」


私が首を傾げると
蓮華くんの表情は
もっと厳しいものに
変わった。


「……もしかしてお前、生まれてからずーっと親に甘えてた金持ち的なやつ?」


「へっ!?ああ、いや、そんなことないよ!買い物とかほとんどしないから、ちょっと金銭感覚がおかしいのかもね!あはは……」


そうか、あれは高級店
だったのか。


お義母さんとでも
あまり買い物は
しないし、それに……


お義母さんと会うまでは
「買い物」って言葉すら
知らなかったし。


金銭感覚がおかしいのも
無理はないけど、
あまり普通から
かけ離れる言動も
控えた方が良いよね。


「そっかー、お義母さんが行く店も大体あんな感じだったから高級だなんて思わなかったなぁ。じゃあ別の店に行く?」


「いや、あそこでも構わないけど。一般的に考えたら高級ってだけで、社長令嬢・令息ばかりのこの学園ではさして珍しくもなんともないし。ただ、お小遣いが厳しくて買えない生徒が大半なだけ」


お金持ちな家でも
きちんとお小遣い制
なんだなぁ。


「お前もそのクチかと思ったけど、違ったみたいだな」


「あははー、お義母さん私に甘やかしすぎるからね」

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