《MUMEI》
真実の断片10
−−どれだけ現実逃避を重ねても、事実は変わらなかった。

どうしてだ。

一緒に自首しに行くって約束したじゃないか。

どうして急にいなくなってしまうんだよ。

それに真弓が自殺したという事実を自分が知るよりも先にこの会社の社員が知っていたのは許せない。

真弓は基本的にこの会社自体を嫌っていた。それでも、真弓は画を描きたかったんだ。いつかは自分で描いた漫画が皆に読まれることを夢見て。……つらい事を必死に耐えて………


………俺は知っているぞ……

お前らがいかに真弓を追い詰めていたかを。

それなのに、俺より先にこの事実を知っているなんて。どうして俺に連絡してこないんだよ警察は。こんな会社に電話するよりもまずは俺の方が先だろ………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫