《MUMEI》
立場
御麗と立場を逆転したい 。

そう何度思った事か 。

廊下で立ち止まって、また考える 。

「....!」

シンデレラのガラスの靴を履けば、白雪姫も___


「主役に___...」

なれる ?


その時、

ドンッ

背中に鈍い痛みが走った 。

どうやら人がぶつかったようだ 。

「ねぇ」

そう後ろから声を掛けられ、振り向くと___


「邪魔なんだケド」


色素の薄い髪に癖っ毛、眼鏡の背が高い男 。

その威圧的な瞳に私は怖じ気付き、とっさに謝る。

「ごめんなさいっ...!」

泣きそうになりながら頭を深く下げてそう謝ると、堪えたような笑い声のようなものが聞こえた 。

「ぇ...?」

笑ったような声に少しの疑問を抱き、頭を上げた 。

案の定、笑われている 。

「君...面白いね..っくく..名前は ?」

そう言われ、少し戸惑いながら名前を言った 。

「ゆ...夢原 泉、です」


「...そ、夢原サンね 。僕は月島 蛍 。」

「は、はぁ..?」


なんだろう...何処かで聞いたことのある名前 。

そう考え込んでいると、話しかけられる 。

「ていうかさ」

「?」


「さっきの、主役って何 ?」

「!?」

聞かれてた....!?

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