《MUMEI》
私と彼女の立ち位置 。
____白雪姫とシンデレラ 。

その差は大きかった。



__{昔から彼女と比べられて}
__{いつも嫌だった}
__{何故、比べるの... ?}
__{私と彼女は他人なの}
___{なのに、何故}
____{何故、何故____}


__「....ねぇ?」

耳に届いた凛とした声に、はっとして我に返った。

私はいつの間にか下を向いていた様で、顔を上げると__

「ぁ...」

月島さんが私の顔を覗き込んでいた。

そっか、主役って何って聞かれてたんだ。


どうやって誤魔化そう。


「で、主役って何」

問い詰める様に鋭くなった瞳と声に思わず足が竦む。


「ぁ....えっと、その...」

声も段々震えてきた。

「どうしたの....?」

けど、先程と変わって急に月島さんの声が優しく、穏やかになった。



「僕だけに、教えてよ____」


私には何故、月島さんがここまでして知りたいのか分からない。


けど_____


「はい...っ」


いつの間にか、はい と言ってしまった。


___何か、似てる気がした。

彼と、私は_____

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