《MUMEI》
僕と天川さんと桜庭さん
雪は、弓道部部員、涼介は、バスケ部部員と、2人共、部活に入っているため、帰宅部の僕は、いつも、1人で帰ることとなる。

寂しいが、仕方ない。

帰り道を歩いていたら、なっ、何と、僕の前を、天川さんが歩いていた。

隣に女の子が、天川さんと一緒に歩いていた。

確か、あの子は、僕たちのクラスメイトで、天川さんの親友・桜庭唯さんだったかな?

僕は、どうするべきか、悩んでいたら、男たちが2人に声をかけていた。

しつこく、付きまとう男たちに、天川さんは、きっと爆発寸前だな。

男の僕が、追い払おうか?

そう思っていたら、すでに天川さんは、桜庭さんを庇う形で、立ち、男たちに怒鳴っていた。

「しつこいんだよ、お前ら。私たちは、アンタたちについて行く気なんかないからな。」

「んだと?このアマァ。」

そう言うと、天川さんと桜庭さんを、突き飛ばした。

その衝撃で、桜庭さんが、石の階段の上から、落ちそうになる。

「きゃっ?」

咄嗟に、天川さんは、桜庭さんを庇うように、その腕を掴んだ。

ヤバい。

2人共、これじゃ、落ちちゃう。

僕は、運動神経はいいほうだった。

なので、当然、天川さんと桜庭さんを助けなきゃ。

そう思い、2人を助けに行って、天川さんと桜庭さんを庇いながら、3人で、石の階段を落ちて行ってしまった。

ドサドサドサッと、奇跡的に石の階段の途中で、倒れ込んだ。

その後、僕と天川さんが、大変なことになるのだが……。

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