《MUMEI》
残酷な「生」
いつ頃から倒れてたのかわからない。
ただ、私は目を覚ました。
「起きられましたか。」
声がした方向へとゆっくり振り向く。
相手は看護師のような服装をしているので、恐らくここは病院だろう。
「落ち着いたら先生のところへいきましょうか。」
その明るい声に、私は断ることもできず、頷いていた。

「心臓の病です。」
医者からはその一言。
何かを期待していたわけでもない。ただ、私の口からは
「いつ死ねますか。」
その言葉が自然と出てきた。
「…とりあえず手術をする日時を両親と相談しましょう。」
医者は私の言葉に驚いたのかは知らないが、私を病室のベッドに戻したあと、直ぐに部屋から出ていった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫