《MUMEI》
神白奏真と路地裏
-いつからだろうか…人生が退屈だと感じるようになったのは…否、生まれたときからだ。実際、俺はいつも違う世界に行きたかったし、生きたかった…ー「オラ!てめ、死ねや!」
そんな言葉が聞こえてきたのはある路地からだった。コンビニで弁当と飲み物を買い、帰宅途中の俺は路地前で立ち止まり、ソレを眺めていた。
「ん?おい、お前何見てんだよ?おい、こいよ?」
そう言った不良を尻目に俺は家に向かおうとした。その時だった。不良が、後ろから殴ってきたのは。
「ぐぁッ…う、あ…」
「てめー、何無視してんだよ?なぁ、コイツもやろうぜ〜♪」
俺は途切れそうな意識の中路地の中を見ていた。そこには中学生位の子がいた。男かと思ったがその子は女のような顔立ちをしていた。そして殴られたのかボロボロだった。
「は、ははは…」俺は不意に笑いが漏れた。
「おい、何笑ってんだ?」
何人かの男女が気味悪そうに俺を見た。
「…いや、たった一人のか弱い人間に多数で暴行を加えて、楽しいのかな…と思ってな…」
俺がそういうと不良のリーダーが怒鳴った。
「あぁ!?んだとゴラ、殺すぞ!!」
「…殺す、か?やれないのに簡単に言うなよ」俺は、不良を睨みながらそう言った。

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