《MUMEI》

――ベッドの上以外の泣き顔は…、中学生の頃以来だ……。

裕斗はいつも俺の前では笑ってるのに…。




「何だよ、何で泣いてんだよ…」





俺はポケットからハンカチを出し、裕斗に差し出す。



裕斗は当たり前の様に受け取り、涙を拭きだした。





「…うん、ゴメン…、
なおと離れたくないって思ったら…、
辛くて…、苦しくて…俺…、本当になおが好きなんだよぉ…
マジ離れたくないよぉ…」

裕斗は膝を抱きしめがら頭を伏してしまった。




「つか意味分かんねーし…、俺と離れたくねーなら離れなきゃいーじゃんか、
俺だってゆうと離れんのなんか…、
別れんのなんか…、マジで…ヤだよ…」

俺は裕斗の肩に手を回し、ぐっと引き寄せる。
すると裕斗の躰が傾き、俺に重さが入ってきた。


「俺じゃダメなんかよ…、なあ、…別れたくねーよ、俺はゆう以外の奴なんか興味ねーんだよ」


「………ゴメン…、
ゴメン…、なお…、
俺…、ゴメン…」







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