《MUMEI》

書き直した咲という字が他の文字と比べて小さく、かわいらしく思わず笑ってしまう。

「石島、何笑っているんだ。まさか一目惚れしたとか言い出すんじゃないだろうな」

隣の席の安原が声をかけて来た。

「まさか、俺は勉強のことで頭がいっぱいなんだよ」

「嘘つけ、お前が勉強やってるとこなんて見たことないぞ」

「それは言い過ぎだろ」

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