《MUMEI》 12時を回ろうとしていた 時また私の部屋を訪ねてきた 「わたし達友達だよね…?」 そう泣きながら飛びついてきたのは 大和奏(ヤマトカナデ) クラスは違うが、 幼稚園の時から一緒でずっと仲良しの奏ちゃん 学校に行く時も、放課後、遊びに行く時も一緒の子 「あのね…あのね…私、聞いちゃったの…」 だいたい予測のできた内容だった 既に「昨日」のような平穏な日常は無かった すぐにでも、この学校から去ってほしかったのだろうからー 「明日から彩音ちゃん口を聞かないようにって口裏を合わせるよういってたの…彩音ちゃんのクラスの女子が…しばらく、ここに居ない方がいいじゃない?」 「私、行くところ無いし…」 「あ、そうか…」 元々、家族は父のみ それも今では… 母と祖父母は物心ついた時には既に居なく、写真でしか会ったことがない… 親戚の話も聞いたことがない よくよく考えれば今は身を寄せるところがない そうなると明日から私1人で現実に向き合わなければならないと覚悟を決めた… 「私は離れないからね…」 そう言って泣き目の奏は私の部屋を出ていった 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |