《MUMEI》 4「では、始めます」 瞳を閉じるふみ。美しい。まだ19歳か。本当に美少女だ。可憐で大胆で、本気で欲しくなる。 「ん・・・」 胸やおなかを超音波がこすり、ふみは甘い吐息を漏らした。耕史は画面を見ていたが、チラチラと、ふみの裸体も見た。 (触りたい。全身をくまなく愛撫したい。本音を言えば犯したい) 心電図や胸のレントゲンは短いが、エコー検査は約20分。たっぷり彼女の裸体を感じた。 「コージさん」ふみは瞳を閉じながら言った。 「何?」 「何歳ですか?」 「30歳だけど」 「30かあ。30歳の男の人って、やっぱり19歳はガキですかね?」 きわどい会話。耕史は少し焦った。 「19歳から見て、30歳はどう?」 「あたしの質問が先です」ふみは目を開いた。 「19歳は立派な大人だよ」 「ふーん」ふみは天井を見ながら話した。「あたし、年上の男性は好きですよ」 「何歳までならOK?」 ふみは笑みを浮かべる。「お父さんよりも年下までかな」 「お父さんは、いくつ?」 「40歳」 セーフか。 「お父さんより年上はあり得ないか」 「それは無理でしょう」 40歳なんていったら、男として現役バリバリだ。しかし父親より年上というのはきついか。何となくわかる。 「さあ、これで検査は全部おしまいです」 耕史はペーパーで胸のゼリーを拭く。胸やおなかをこすられてくすぐったい。ふみは身じろぎした。 ふみは上体を起こして両手を後ろのほうにつき、片膝を曲げて、もう一本の脚を投げ出すセクシーポーズ。胸も股も隠そうともしない。これは反則だ。挑発しているとしか思えないが、耕史はすました顔で言った。 「検査結果は診察室に届くので、呼ばれるまで診察室の前のイスで待機していてください」 「コージさんは、マッサージの免許も持っているそうですね」 「え、何で知ってるの。誰から聞いた?」 「送迎車の運転手さんから」 「そうなんだ。確かに持っているけど」 ふみは甘い顔をすると、耕史の目を見つめた。 「あたし、マッサージ大好きなんですよ」 「女の子はマッサージ好きだよね」 「でも高いじゃん」 親しげな会話に耕史の胸が高鳴る。 「あたしをマッサージしてって言ったら怒ります?」 再び雲行きが怪しくなった。誰かが送り込んだ産業スパイか。自分を首にしようとしている罠か。いや、そんなことはないはずだ。 「別に、怒らないよ」 前へ |次へ |
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