《MUMEI》
3
彼女は、ネットで同じ趣味趣向の女子の本音を読んでいた。なかには男が女のふりをして書いているものもあるから、鵜呑みは禁物だ。あるいは書いているのが女性だとしても、本当は実行などしてなくて、脳内での妄想を、さも実行したかのようにリアリティーたっぷりに書いている文章もある。

それでもヒントになるアイデアはあった。さすがに全裸で夜の公園を歩くなど危険な行為はできない。事実、公然わいせつ罪に問われるし、もしも悪漢グループにでも捕まったら輪姦されてしまう。

レイプは絶対に嫌だった。レイプは人間のすることではない。ましてや輪姦なんてされたら、女は人生が終わってしまう。そこは全男性にわかってほしかった。

「・・・ストンかあ」

ストンは危ない。ふみはニンマリした。みんな勇気がある。ストンは、ほとんど犯されても文句を言えない行為だが、ふみはチャレンジしてみたくなった。



まずはピザを注文する。30分後だと言う。ふみはバスルームに入り、シャワーを浴びた。これからピザ宅配が来るというのに、髪まで洗って、自慢の美ボディもボディーソープを泡立てて入念に洗う。

時間が経過するとドキドキが増す。

「ふう」

脱衣所に出て、髪と体をタオルで拭いている時、チャイムが鳴った。

「嘘、早い」

彼女は全裸のまま受話器を取る。

「はい」

『お待たせしました』

「早かったですね。30分後くらいって聞いてたから、シャワー浴びちゃって、今裸なんで、1分待ってください」

『は・・・はい』

今、裸・・・。このセリフは好青年には刺激が強い。若い男は緊張の面持ちで待った。ドアが開く。

(嘘・・・)

何と、若い女性がほとんど全裸の格好で玄関に出た。バスタオルを巻いているのではなく、小さな白いタオルで前を隠しているだけだ。

(あり得ない)

ふみは片手でタオルを押さえ、かろうじて胸と股は隠されている。片手には財布。いつものように彼女は笑顔で言った。

「ごめんなさい、こんなカッコで。待たせちゃ悪いと思ったから」

「いえいえ」

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