《MUMEI》
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99%の女子が「パジャマでコンビニは無理」という話を聞くと、ふみは燃えた。挑戦したくなる。半裸で玄関に出ることに比べたら、実行は不可能とは思えない。

しかし危険度は野外のほうが大きいかもしれない。

ふみは、さすがに夕方の時間は避け、夜11時になると、ピンクのかわいらしいパジャマを着た。下は何も身につけていない。パジャマの下は真っ裸だ。少しでもスリルを味わいたいので、下着をつけるという守りは潔くないと思った。

夜の11時なら、寝てもおかしくない時間帯なので、パジャマに着替えても不自然ではない。彼女はもちろん裸足。財布だけ持ってビーチサンダルを履き、いざ外へ。

「ふう」

マンションから近くのコンビニまで500メートルはある。緊張する。コンビニに辿り着くまでにも多くの通行人に見られそうだ。

通りも近いので、車の中からも見られてしまうかもしれない。ふみは意を決して、すました顔で歩いた。通りを何台か車が通る。たぶん見られただろう。

「恥ずかしい」

思わず白い歯を見せる。彼女はゆっくり歩いてコンビニへ向かった。一応、コンビニの駐車場に、改造車や大きいバイクがないかを確認する。ヤンキーがいたら怖い。パジャマ姿の女子を放ってはおかないだろう。

ふみはコンビニに入った。皆が無理と言った「パジャマでコンビニ」のミッションを達成した。ストンに比べれば大したことはない。でも、漫画を立ち読みしていた男は、ふみを驚いた顔で見た。

彼女はすました顔で籠を持ち、店内を歩く。男たちの視線を浴びる。ただでさえ美少女なのに、ピンクのパジャマに裸足にビーチサンダルという格好だ。店員の男までも彼女を見ていた。

ふみはジュースを二本籠の中に入れると、レジに出した。

「304円です」

「はい」

「ちょうどいただきます。ありがとうございます」

ジュース二本が入ったコンビニの袋を手に持つと、そのまますました表情で店を出る。しかし、運悪くそこへ、10人の不良っぽい男たちがゾロゾロ歩いてきた。

「ヤバ」

ふみは早歩きで行こうとしたが、声をかけられた。

「あれ、彼女、一人?」

「・・・・・・」

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