《MUMEI》
6
真顔で行こうとしたが、前に立たれた。

「おっ、これパジャマじゃん」

「かわいい」

「パジャマでコンビニ? 勇気あんね」

「どいてください」

「あ、そういう生意気な態度取るならこの場で素っ裸にするよ」

「わかった待って」

ふみは両手を出した。正直怖い。胸のドキドキが止まらない。コンビニの駐車場で男たち10人に囲まれてしまった。足がすくむ。

「彼女、俺たちと遊ばね」

「帰ります」

「そういうつれないこと言うとパジャマを脱がすよ」

パジャマを脱がされたら全裸だ。ふみは怖くて両目を赤く腫らした。

「お願いです、帰してください」

「家どこ?」

「家教えてくれたらきょうは帰してあげるよ」

「その前に名前は?」

マンションを知られてはいけない。ふみは逃げようとするが、男が前に立ちはだかる。

「名前教えて」

「ひ・・・瞳です」

「あとで嘘とわかったら回すよ」

「ちょっと・・・」

その言葉がもう犯罪だという認識はあるのだろうか。完全な脅迫罪だ。

「その財布の中に身分証明書ある?」

ある。見られたら名前が嘘だとバレてしまう。ふみは唇を噛んだ。

「彼女、今本当のことを言ったら許すよ、どうする?」

「・・・ごめんなさい、ふみです」

「ふみ?」

「はい」

「そっちが本当の名前?」

「はい」

男は腕をつかむ。

「何ですか?」

「よくも嘘をついたな」

「今、本当の名前を言ったら許してくれるって言ったじゃないですか」

「言ったっけ」

男たちは両側から彼女の両腕をつかむ。

「放してください。ちょっと、放して」

しかし男たちは放さない。両腕をつかまれたら無抵抗だ。男たちの手がふみの体に伸びる。胸を触り、パジャマをまくっておなかを触る。

「やめてください、やめて」

さらに容赦なく股を弄る。

「あああああ!」彼女は腰を曲げて嫌がった。「やめて、やめてください」

「パジャマ脱がしちゃおうか?」

「脱がしちゃえ!」

「あああ、待って・・・きゃあああああ!」

パジャマを脱がしにかかる。ふみは激しく抵抗した。

「やめて、それだけはやめて!」

押し倒された。男が下を引っ張る。万事休すか。

「いやあああああ!」

取られてしまった。ふみは真っ赤な顔で股を隠す。

「う・・・こいつ下穿いてねえ!」

「嘘、ノーパン?」

「じゃあ、ノーブラか!」

「やめて!」

多勢に無勢。大勢の男たちに押さえつけられたらどうすることもできない。ボタンを上から一つ一つ外され、パジャマの上も脱がされてしまった。

「やった、スッポンポンだあ!」

男たちは奪ったパジャマを振り回す。ふみは一糸まとわぬ姿でしゃがみ込み、胸と股を隠し、怯えた表情で男たちを見上げた。

「許して。パジャマを返して」

「返してほしい?」

「返してください」

「じゃあ、家教えな」

絶望的な状況だ。マンションを教えたら部屋に入るかもしれない。そうなったら間違いなく犯されてしまう。女を野外で平気で全裸にする野蛮な連中だ。何をするかわからない。散々回された挙句、口封じのために殺されてしまうかもしれない。

「お願い、許して」

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