《MUMEI》
11
「その前に手を洗ってくれますか。もしも股を触るなら」

「・・・おまえは、いい女だな」

男は手を洗う。ふみは胸のドキドキが止まらない。男はふみをベッドに寝かせると、全身を触りまくる。

「んんん」

胸やおなかを触りまくり、股を弄る。

「あ・・・」

感じているふりをする。ふみは男の愛撫に敏感に反応するように、セクシーな身のこなしで腰を浮かしたり、くねらせたりする。

「やめて」

「おまえの名前、何て言うんだ?」

「あなたの名前は?」

「名前聞いて警察に言う気か?」

「違うわ」

「おまえの名前を教えろ。嘘言ったら犯すぞ」

「やめて」

ふみは両目を閉じながら、囁くように言った。

「ふみ」

「どんな字書く?」

「ひらがなです」

「いくつだ?」

「・・・19」

「ジューキューサイ!」

とびきりの美少女。たまらない。夢にまで見た19歳。何が夢なのかよくわからないが、ふみの美しい裸体に男は興奮の坩堝だ。

散々触りまくると、今度は全身に舌を這わす。いつ終わるかわからないしつこい愛撫に、ふみも本気で感じてきてしまった。

男の邪悪な舌がふみの左右の乳首を弾き、そのまま下がっていき、おなか、そして内腿へ来てふみを焦らせる。

「待って、そこは許して」

ふみのセリフもアブノーマルなSにとっては興奮材料だ。男は容赦なく、ふみの股にキスの嵐だ。

「あああああ! やめて、お願いやめて」

腰をくねらせながら嫌がるふみ。男はとことんクンニで責める。

「許して、そこだけは勘弁・・・あああああん!」

ふみの敏感でかわいい反応と、官能サスペンスさながらの色っぽい哀願の言葉に、男は誠意を感じ、約束通りレイプは許してあげようという気持ちが湧く。

「ふみ、おまえは本当にいい女だ。気に入った」

「許して、もういいでしょ、十分楽しんだでしょ」

「また遊びに来てもいいか?」

「え?」

それは勘弁と顔に書いてある。あまり追い込み過ぎても警察に保護を求められてしまう。それは厄介だ。男は笑った。

「冗談だよ。おまえみたいな美人チャンの裸見れて、触りまくれて、十分満足だ」

「・・・・・・」

ふみは顔を紅潮させて、唇を噛む。男は名残惜しそうに彼女のセクシーな美ボディを触ると、ベッドから離れた。

「じゃあな」

「あ、さようなら」

男は笑顔で出て行った。ふみは急いで鍵を締め、U字ロックをする。

「危なかったあ・・・」

ヒロイン危機一髪だった。危うく犯されるところだった。

「怖かったあ」

散々触りまくられ、クンニまで許してしまったのは悔しいが、レイプされないためには仕方ない。何とか乙女の純情を死守できた。

ただ「やめて、やめて」と騒いだりしたら、鳩尾を打たれて気絶させられたり、猿轡されて手足を縛られたりする。そのほうがレイプの危険がはるかに高まるのだ。気を失ったら、寝ている間に何をされるかわからないし、手足を縛られたら、間違いなくレイプされてしまう。

今までもふみは、絶体絶命の大ピンチの時も、男心を逆手に取り、小悪魔戦法で身を守ってきた。でも、いつまでもそれが通用するとは限らない。

「ちょっと、気をつけようかな」

天から見放されるのは怖い。今度こそ助からないかもしれない。ふみは、しばらく自重することにした。

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