《MUMEI》
2
男は容赦なくゆりのエプロンを取り、服を脱がせる。あっという間に下着姿にされてしまった。薄いピンクのセクシーなブラジャーとショーツを見て、理性が飛んだ。

「かわいいじゃねえか」

その下着も全部剥ぎ取り、素っ裸にしてしまった。あまりの美しい裸体に目を見張る。

いきなり全裸は酷い。目が覚めた時の彼女の慌てふためく姿を妄想しながら、男は、ゆりの両腕を枕もとでクロスして、SMグッズで両手首を縛り、ベッドの柵に繋いだ。

これで無抵抗だ。悲鳴を上げないように猿轡を咬まし、準備完了。両脚は縛らないでそのままだ。

「起きろ」

「んんん・・・」

頬を軽く叩かれ、ゆりは目を覚ました。

「ん?」

目の前には昨日の男。千葉だ。ゆりは、自分が全裸だということに気づき、目を丸くした。

「んんんんん!」

激しくもがくゆりを見ながら、千葉は淫らな笑みを浮かべると、キッチンから包丁を持ってきた。

「んんん! んんん!」

殺される。死の恐怖にゆりは動転した。千葉は包丁を目の前に持ってくると、低い声で脅した。

「死にたいか?」

ゆりは必死に首を左右に振る。

「死にたくないか?」

「ん」彼女はゆっくり頷いた。

「よーし、じゃあ、この体好きにしていいな?」

「んんん・・・」ゆりは思わず両目から涙を溢れさせ、哀願に満ちた目で男を見つめた。

「かわいいな。よし。旦那は悪い奴だが、おまえはいい子みたいだな」

ゆりは震えた。死にたくない。しかし人妻なのだ。この体は夫のためにも絶対に守らなくてはならない。ほかの男に犯されることは許されない。ましてや夫が大嫌いな男なのだ。なおさらのことだ。

「奥さん。お喋りがしたいな」そう言うと千葉は、もう一度包丁を顔に近づけた。「悲鳴上げたら命はないぞ」

「ん」

「騒ぐなよ」

「んん」

自分をつぶらな瞳で見つめながら頷くところがかわいい。僅かな慈悲心も湧くというものだ。千葉は猿轡を外した。

「・・・お願いです。ほどいてください」

「おまえの名前は?」

「まずほどいてくれませんか?」

「よし、犯そう」

男がベルトを緩める。ゆりは激しく暴れながら言った。

「待って、待ってください、待ってください」

待ってくれた。

「はあ、はあ、はあ・・・」

全裸で慌てふためく美しい人妻。千葉は思わず興奮した。

「レイプは勘弁か?」

「それだけは許してください。一生のお願いです」

「そうはいかねえ。旦那をぶん殴ったところで、俺は首になる。それじゃ損だ。かといって何もしないのは俺の腹の虫がおさまらねえ」

「・・・やめて」

「犯すぞ」

またベルトを緩めようとする。ゆりは口走った。

「やめて、やめて、多少のことなら構いませんから、レイプだけは許して」

千葉は緩めたベルトを締め直すと、聞いた。

「多少のことって何だ?」

「あ、あの・・・。ちょっと触るくらいなら」

「ほう」男は乗った。「じゃあ、どこを触ってほしい?」

「どこも触ってほしくありません」

「そういう生意気なこと言うなら犯しちゃうぞ」

「待って」

ゆりも必死だ。どんなことがあってもレイプだけは避けたい。

「腕とか、脚とか」

「なるほど、腕と脚が性感帯かって、バカヤロー。胸と股を触られたくないからそんなこと言ってんだろ。ちゃんと答えないと犯しちゃうぞ」

「・・・おなか」

「お、ようやくまともな答えが出てきたな」千葉は楽しそうだ。「おなか弱いのか?」

「ええ」

さすが若い主婦は、生娘とは違う。純情可憐な生娘ならば、ギャーギャー号泣して手がつけられないかもしれない。千葉はスリリングな非日常の空間に酔っていた。

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