《MUMEI》 11「ええ、全裸は恥ずかしいでしょう」 「昔から旅の恥はかき捨てって言うじゃないですか」 ゆりは危ない会話を楽しんだ。 「そんなこといって、もしかしてあたしにローションマッサージを勧めていますか?」 「まあ、はい」 「全裸で?」 満面笑顔で振り向くゆりに、川平の理性は揺らいだ。 「無理強いしたらセクハラですから。僕は首ですよ」 「どうしようかなあ」 ゆりが迷っていると、川平は「仰向けになってください」と言った。ゆりはゴロンと色っぽい仕草で仰向けになる。川平は燃えた。 「脚をマッサージしますね」 彼は、足首から、ふくらはぎを揉み、さらに手が内腿へ行くと、ゆりは笑いながら抵抗した。 「ちょっと待って」 「何ですか?」 「浴衣の下は何も身につけてないから」 「嘘」川平の目が丸い。 「嘘ってことないでしょ。あとは寝るだけだもん」 浴衣の下はスッポンポン。川平は想像力を逞しくすると、心身ともにエキサイトしてしまった。 前へ |次へ |
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