《MUMEI》 5代野通は酔っ払っている。シラフでも容赦はないのだが、野蛮人ぶりに拍車がかかっている。迷わず愛梨の最後の一枚を両手でつかむ。 「あああああ!」 ショーツを脱がされ、愛梨の顔は真っ赤だ。川平も手伝い、彼女の両脚を広げてベルトで拘束した。素っ裸で手足を大の字に縛られる。愛梨は泣き顔で両目を閉じ、唇を噛んだ。恥ずかしいし、悔しいし、情けなかった。 「さあ、愛梨。美しきヒロインが絶体絶命の大ピンチだな。どんな気分だ?」 「お願いです。酷いことはしないでください」 「かわいいな。おまえみたいな美人にかわいい態度を取られると、あんまり残酷なことはできないもんだぜ」 ほかの女たちは俯いている。平気で手伝う川平を軽蔑していたが、目線だけで三井寺が指摘してくるから、なるべく目を伏せていた。 「愛梨」代野が悪魔的に迫る。「クイズに答えられなかったのとは訳が違うぜ。よし、サイコロで決めよう」 代野は、淫らな笑顔でサイコロを振った。6が出た。6はストマック・クローだ。愛梨は身じろぎした。 「やめて、やめて」 「ハハハ。無抵抗でストマック・クローはきついか?」 「それは許してください、お願いします」 「わかった。かわいく哀願したから、ストマック・クローは勘弁してあげよう」 愛梨がホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、代野は再びサイコロを振る。完全に面白がっている。 3が出てしまった。 「3は電マ攻撃だあ! 川平の出番だ!」 「ヤダ、ヤです、ヤです!」 愛梨は必死に首を左右に振って懇願した。皆が見ている目の前でイカされる。それが女にとってどれだけ屈辱的な仕打ちか。わかってほしかった。 しかし、川平は笑顔で電マを手にする。愛梨はもがいた。 「イヤ・・・川平さんやめて、どうして?」 川平は氷のような視線を感じ、ゆりを見た。思いきり睨みつけている。 「何だよ?」 「やったら、あなたを一生軽蔑するわよ」 川平は三井寺を見た。三井寺は黙っている。ゆりを咎めそうもない。川平は助けを求めるように代野を見た。 「電マもダメかあ」代野はまたサイコロを振る。「1だあ! 待ってました、くすぐりの刑だ!」 「やめて、ヤです」 前へ |次へ |
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