《MUMEI》
6
愛梨は腰が引けた。今度は代野がやる気満々だ。

「さっき、これだけが出なかったんだ。ようやく出たか」

そう言うと、代野は全裸の愛梨をまたぎ、両脇をくすぐりまくる。

「やめて・・・きゃははははははは、あはははははっは!」

「何だこいつ、くすぐり苦手なのか?」

「やめて、やめて」

「苦手なのかと質問してるんだぞ。答えないならこうだ!」

「やははははは・・・苦手・・・苦手です!」

愛梨は真っ赤な笑顔で悶え苦しむ。代野は興奮して止まらない。素っ裸にされてくすぐりの刑。これはさぞかし悔しいだろうと想像した。想像すると余計に興奮してしまう。

「キャハハハハハ、やめて・・・はいあやははっは・・・」

「川平も手伝え」

川平は躊躇なく愛梨の足の裏をくすぐりまくる。

「ギャー! やめて、やめて・・・あははははははははは」

「よし、古関料理長は腰をくすぐるんだ」

「勘弁してください」古関は呟くだけで何もしなかった。

愛梨は笑い顔から泣き顔に変わった。こうなるともう限界だ。言葉を発することもできずに、首をひたすら左右に振って降参の意思表示だ。

「代野さん」ゆりが代野の腕をつかんだ。

「またおめえか。ゆりもくすぐりの刑に遭いたくなったか?」

「違います。くすぐりは危険です。おかしくなってもいいんですか?」

本当におかしくなるのは困る。代野がやめると、川平もゆりに殴られる前にやめた。

「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ・・・」

愛梨は両目から涙を流し、汗をびっしょりかいて、息を乱した。

「もう許してあげてください。くすぐりは危険だから絶対にやめてください」ゆりは真顔で訴える。

「おまえはこういう方面に詳しそうだからな」

「そんなことありませんけど・・・」

「ゆりが言うと説得力があるぜ。よし、愛梨は許してあげよう。まあ、二度とヘタなまねはしないだろうから」

ゆりはすぐに手足をほどいた。古関も手伝う。慌てて川平が手伝おうとすると、ゆりがその手をはねのけた。

「あ、そういうことするなよ、やっちゃうぞ」

ゆりはドキッとした。監禁されている身なのだ。あまり調子に乗らないほうがいい。もしも代野が面白がって、ゆりを裸で拘束し、川平にその体を委ねるなんていう悪趣味なことをしたら。川平のテクニックは普通ではない。大嫌いな軽蔑している男にイカされてしまうのは耐え難い恥辱だ。

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