《MUMEI》
7
三井寺がまた悠長に言った。

「では、そろそろ寝ようか。さすがに個室というわけにはいかないから、みんなここで雑魚寝だ。布団を敷いて準備しなさい」

女性従業員は、仕方なく準備した。あまりイヤイヤ顔でやると三井寺がそれを口実にすると怖い。彼女たちは真顔でテキパキと動いた。

全部で男五人。女六人。十一人分の布団を敷いた。すると、酔いが醒めていない代野が赤い顔で言った。

「よし、じゃあ、女は逃げないようにスッポンポンになってもらうぜ」

「え?」

皆は耳を疑った。

「マッパで寝るんだ。別にいいだろう。もう何人か素っ裸にされてるし、ガッハッハッハ!」

ゆりは勇気を出して言った。

「全裸は勘弁してください。怖くて眠れません」

「何、この俺が夜這いプレイをすると疑っているのか?」

「代野さんじゃなく・・・」

ゆりが俯くと、代野は川平を見た。

「なるほど、古関料理長に襲われることを心配しているのか」

「はっ?」古関は目を丸くする。

代野と三井寺と川平は大笑いした。ほかの者は笑えない。ゆりも唇を強く結んで俯いていた。とにかく全裸で寝るのは危険過ぎる。何とかしなくてはいけない。

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