《MUMEI》
8
客のゆり一人に頼るのは良くない。由恵も勇気を振り絞った。

「あの」

「何だ?」代野が笑顔で睨む。

「全裸で寝るのは怖いです。わかってください」

「だからスリリングなんじゃねえか・・・ん?」

代野は腕組みして考えると、女たちに言った。

「全員ここに並べ・・・男はいいいんだバカ」

並ぼうとした川平は笑いながらどいた。

悔しいけど逆らえない。浴衣姿のゆり。ピンクのパジャマの愛梨。白の水着の由恵。ピンクの下着姿の綾香。白いバスタオル一枚の海苛。彼シャツ姿のすずが、一列に正座した。

「海苛」

「はい」海苛は焦った顔で代野を見つめた。

「まさか、バスタオルの下に下着は穿いてねえよな?」

「穿いてません」

「証拠を見せてみろ」

「え?」海苛は赤面した。

「やめてください」ゆりが口を挟む。

代野はゆりを睨んだ。ゆりも目を伏せることなく見つめ返す。

「まあいい。海苛を信じよう。穿いてることがバレたらスッポンポンだからな」

「穿いてません」

本当に穿いていないので、海苛はキッパリと言った。代野は立ち上がると、サイコロを出す。

「俺は個室で寝る。でも一人じゃ寂しいから、誰か一緒に連れて行くぜ」

この一言で一気に緊張が走った。今までの罰ゲームとは訳が違う。連れて行かれたら、それはレイプされることを意味していた。

「ちょっと・・・」

ゆりも、ほかの女たちも、蒼白になる。代野は満面笑顔でサイコロを振る。

「さあ、運命には逆らえないぜ・・・3、綾香だあ!」

綾香は早くも泣き顔だ。

「待ってください」

「待たねえ。俺は待つの嫌いなんだ。来い」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫