《MUMEI》
11
「代野さんは、最初は酷い人と思ったけど、根は優しい人だと思うから・・・」

代野は上からゆりを見つめた。

「嘘がヘタだな」

「嘘じゃありません!」

「俺のことも軽蔑してるだろ」

「まさか」

代野は探るような目で見る。

「おまえ、刑事じゃねえだろうな?」

「え?」

「度胸がすわり過ぎてるし、ほかの女を庇うし、囮捜査か?」

ゆりは笑った。

「代野さん、想像力が豊かなんですね」

「妄想力も豊かだぜ」と浴衣を脱がそうとする。

「待って」

「裸が見たい。見せてくれ」

「見るだけ?」

代野は笑った。

「ああ、見るだけだ。指一本触れない」

そんなことあり得ない。しかし交わしきるのは無理だ。

「じゃあ、絶対に見るだけですよ」

ゆりは浴衣を脱いで全裸になった。代野は彼女の両腕を枕もとに上げさせると、たっぷりと至近距離からゆりの裸を直視した。

「恥ずかしい!」

「見られるのは恥ずかしいか?」

「恥ずかしい・・・」

「いい体してるじゃねえか、ゆり。おまえは本当に美しいよ」

ゆりは唇を強く結び、代野を見つめた。

「ゆり」

大きな手でおなかを触る。

「あ、指一本触れないと言ったのに」

「ゆりがかわいいからいけないんだ。おまえのせいだ」

「あたしのせい?」

「そうだ」

代野は味わうように、胸やおなかを触りまくる。

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