《MUMEI》
8
「違います。全裸を晒すよりも、女性が裸で胸と下を隠す恥じらいポーズのほうが、チラリズムが効いててそそるんじゃないんですか?」

代野は目を丸くしてゆりを見ると、改めて恥じらいポーズの由恵を凝視した。

「ハハハ。そういう個性的な意見なら聞こうか。ゆり、おまえは男か? ガッハッハッハ!」

ゆりと由恵は赤面して俯いた。

「さあ、チャンピオン愛梨はまだ無傷だな。次は綾香だ。川平」

「はい」

「綾香のスッポンポンは見たいだろ?」

「見たいです」

爽やかな笑顔の川平を、綾香は睨みつけようと思ったが、罰ゲームが怖いのでやめた。

「さあ、愛梨から振れ」

愛梨は沈んだ表情でサイコロを振った。2が出た。

「よし、綾香の番だ。1を出せよ、ガッハッハッハ!」

綾香が振る。5が出た。今度は愛梨が脱ぐ。彼女は帯をほどき、浴衣を脱いだ。それでもまだパジャマ姿だから平気だ。

「どんどん行こう。時間稼ぎがバレたら両方ともアウトで川平の刑だからな」

この脅しは効いた。痛いプロレス技も嫌だが、人前でイカされるなんて女子にとって最大の恥辱だ。

愛梨が振る。1だ。綾香は、5が出た。

「おっと、綾香、サイコロ強いじゃねえか」

綾香は終始俯いている。愛梨はパジャマの下を脱いだ。嫌でも美脚が強調され、セクシーな格好を男たちに見られてしまう。淫らな視線を感じる。

「愛梨もあと1回で生まれたままの姿か、ハハハ」

愛梨も負けたくない。しかし2が出てしまった。綾香が振る。何と1だ。

「嘘!」

「嘘じゃねえ、さあ、ぬーげ、ぬーげ」

時間稼ぎと言われたら怖いので、綾香はすぐに浴衣を脱いだ。再び恥ずかしいピンクの下着姿を男たちの目の前に晒した。

「かわいいな綾香。思わず犯したくなるな」

車の中では、小暮亜季が絶望的な表情をしていた。絶対に許せない犯人だ。

「小暮です。応援はまだですか? 一人裸にされてしまいました」

『もうすぐだ、待て。確実に一網打尽にしないと意味がないだろ。感情に負けるな』

「・・・了解」

亜季は、いたたまれない顔でハンドルを握った。突入して今すぐこんな愚かなゲームを止めるほうが正しい気もするが、逃げられたら厄介だ。あるいは人質が傷つけられたら大失敗だ。応援を待つしかないのか。

犯人も、大勢の警官隊が一斉に突入すれば、観念するかもしれない。しかし、女刑事と警官二人では、刃向かう危険性は高い。

愛梨が振る。3が出た。次は綾香。6だ。

「えええ・・・」

「勝っちゃったな綾香。さあ、愛梨、ぬーげ、ぬーげ」

愛梨はパジャマの上を脱ぎ、両腕で胸を隠した。

「そうか、まだ最後の一枚が残っていたか。粘るねセニョリータ」

ショーツ一枚の、ほとんど裸の愛梨を見て、代野と川平は興奮した。

「どっちが負けてもいいゲームは最高だな、ナッハッハッハ!」

愛梨が振る。1だ。「あっ!」

綾香は申し訳なさそうにサイコロを振る。2が出た。

「さあ、愛梨、ぬーげ、ぬーげ」

川平も一緒に笑顔で手拍子。ゆりは睨むのを我慢し、俯いた。

「恥ずかしい・・・」

愛梨も後ろを向くと、ショーツを脱ぎ、正座して胸と下を隠した。ついに由恵と愛梨。二人が全裸にされてしまった。

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