《MUMEI》
10
「よーし、いい子だ。いい子は好きだぞ。ゲームを続けよう」

ゆりは分析した。海苛の思いがけない反抗に、代野は気圧されていた。

「さあ、お次はすずだな。未成年だからって免除はないぞ。19歳は立派な大人だ」

「代野さん」

「何だゆり?」

「あたしが飛ばされています」

代野は笑った。

「おまえは俺と一緒にいたんだから、警察に通報することはできねえ。それにゆりの裸は散々見たからもういいんだ、グハハハ!」

ゆりは真っ赤な顔をして唇を噛んだ。そんな話をされては、女として無事ではなかったと皆に知らせるようなものだ。

愛梨と由恵と海苛。三人が全裸で正座している。大の字に寝かせるような非道は免れているが、この先はわからない。

「さあ、綾香とすずだ。行け!」

ショーツ一枚の綾香が先に振る。2だ。浴衣姿のすずが振る。1が出た。

「えええ?」

まさか負けるとは思わなかった。すずは帯をほどき、浴衣を脱いだ。白いワイシャツ一枚。見事な美脚に川平と代野が目を見張る。

綾香が振る。1を出してしまった。「嘘!」

すずもいたたまれない表情でサイコロを振った。3が出た。

「ついに綾香もスッポンポンか。ぬーげ、ぬーげ、ぬーげ」

綾香は顔が真っ赤だ。人一倍シャイな彼女はショーツを脱ぐのを躊躇した。

「そんなに川平の刑を体感したいか?」

「やめてください」

綾香は急いで脱いだ。皆と並んで正座し、恥ずかしい部分を隠した。

「すずが残ったか。じゃあ、すずは俺と対戦だ」

「え?」すずは焦った。

「すずが負けたら一枚脱ぐ。俺が負けたらグラス一杯一気飲みだ。俺が酔い潰れれば助かるぜ、ハハハ」

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