《MUMEI》
シニガミノセカイ
「…ん、こ…ここは、?」
私が目を覚ますとそこは広くて白い空間だった。私がそこに見とれていると近くで声がした。
「おや、もう起きられましたか?荻篠澪さん」
声の正体は恐らく21〜24歳の男性で綺麗な七三分け。そして真っ黒なスーツ姿というなんともサラリーマン感溢れる格好だ。
「あの、あなたは?ここはどこ?私は死んだの?」
「おやおや、質問は一つずつお願いしますね?」
その男性の言葉に何故か私はゾッとした。まるで、そうしなければ殺すと言われているようだった。
「あ、ごめんなさい…じゃああなたの事を教えてください。」
「私は佐々木 零哉(ササキ レイヤ)です。歳は22で職業は“死神”をしております、そしてここは安死地と呼ばれる死神ではないただの霊…またの名を『憑き人』と呼ばれる者が成仏するか否かを決める地です。そして、貴方は先程シニガミ・ゲームの参加権を何故か得ました。」
淡々と説明を進める佐々木さんは終始ニコニコ笑っていた。
「何故か…?何故かってどういう…」
「それなんですが、荻篠さんは実は下級死神がミスで死んでしまいました。なのでそれのお詫びとしてシニガミ・ゲームの参加権を得ました。もちろん選択肢はたくさんありますよ?」
「た…例えば…?」
佐々木さんは考えるように手を顎にあててニコッと笑い選択肢をいいあげた。
「1.『シニガミ・ゲームに参加。』2.『成仏するし、生まれ変わる』3.『生き返る』4.『消えて無くなる』5.『憑き人のまま永遠にさまよう』…さぁ、どれかお選び、目の前のボタンを押してください。押したボタンは撤回できませんのでご注意下さいねぇ?」
「えぇ!?え〜…と、じゃあ…3」
そういって私は3のボタンを押そうとした。だけど、私は突然転んでおでこを別のボタンにぶつけてしまった。しかも…1のボタンに。

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