《MUMEI》
15
ゆりは険しい表情で唇を強く噛み、激しくもがいている。川平は容赦なくゆりの敏感な弱点を責めまくる。一度マッサージしているから、ゆりの弱点を知っているのだ。旅館に来たばかりの夜。こんな卑怯な男とは知らずに、全裸で性感マッサージを受けたことを、ゆりは今さらながら後悔した。

「んんんんん!」

悔しい。悔しいけど肉体が反応してしまう。心で反発しているのに、なぜ体は言うことを聞かないのか。ゆりは真っ赤な顔をして変な声を出さないように口を真一文字にする。

三井寺はゆりに見入った。大嫌いな、軽蔑している男の手に落ち、愛撫されて感じてしまう。女にとって、これほど悔しいことはない。ましてやイカされてしまったら、立ち直れないだろう。

今、かわいいゆりが、嫌いな男にイカされるという、女にとって最大の恥辱に遭おうとしている。まさにヒロインにとって大ピンチ、いや、絶体絶命の窮地だろう。

「やめなさいよ、いい加減にしなさい!」

「ゆり。許してほしかったらかわいく哀願しな、女の子なんだから」川平は言葉でもゆりを追い込む。

「黙りなさい。誰があんたなんかに」

「そういう生意気な態度なら、こういうところいじめちゃうよ」

「え、あ、嘘・・・あああああ! あああああん!」

(どうしよう、耐えられない!)

急所に入ってしまった。ゆりは仰け反って暴れた。

「あああああ! あああああ! あああああん!」

泣き顔のゆりがかわいい。三井寺も代野も興奮の面持ちで、ゆりの困り果てる姿を凝視する。全裸の五人も、ただ見守るしかなかった。三井寺に助ける気はなさそうだ。それに、あまりしつこく言えば、今度は自分の身が危険に晒される。

「あああああん! あああああん! いやあああああん!」

死んでもイカされてたまるか。そう思っていたが、もう無理だ。このままでは間違いなく落とされてしまう。ゆりは哀願する屈辱を選んだ。

「川平さんやめて、わかったから」

「何がわかったの?」

「ごめんなさい、許して」

「かわいい」川平は感動した。「じゃあ、降参か?」

「んんん・・・」

いちばん悔しい言葉を吐かせようとする。鬼だ。

「降参って言ったら許してあげるよ」

「・・・降参」

言ったあと、ゆりは両目を閉じ、唇を噛んだ。ところが川平は責めをやめない。

「参った?」

「もうやめて」

「参ったかって聞いているんだよ」

自分を一方的に嫌うゆりに、情けをかける気はない。川平はサディスティックにゆりを窮地に追い込む。

「参った?」

「・・・・・・参りました」

「かわいい! かわい過ぎるゆりタン」

ゆりの顔は真っ赤だ。昇天寸前なので腰をくねらせて必死に耐えている。

「許してほしい?」

(嘘でしょ?)

しかし、30秒も耐えられない。言うことを聞くしかない。イカされるよりは百倍マシだ。

「許してください」

「俺のこと嫌い?」

「まさか、嫌ってなんかいません」

「嘘をついたので許すのやーめた!」とゆりの弱点を集中攻撃だ。

「あああ、やめて、あああああん! あああああん! あああああん!」

許してほしいから恥をしのんで哀願し、降参し、謝罪もしたのに、あまりにも卑怯だ。

「やめて、お願いやめて・・・嘘でしょそれは待って・・・あああああん! あああああん! はあああああ・・・」

ゆりが泣き顔で両目を閉じて、仰け反り、口を大きく開け、愛液を飛び散らせる。

「お願いやめて、やめて、やめて・・・ヤダヤダヤダ、絶対ヤダから、あああああん! あああああん! あああああん!」

川平はとことん責める。全く容赦ない。

(ヤダ、助けて、こんな奴に死んでもヤダ!)

ゆりは歯を食いしばる。

「くううううう! くううううう! くっ、あっ・・・ああああああああああん! あっ・・・・・・」

落ちた。まんまとイカされてしまった。ゆりは両目から涙を溢れさせた。

(悔しい・・・悔しい・・・)

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