《MUMEI》
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すると、今までふてぶてしく笑っていた代野が、笑顔を消した。

「待てよ。レイプなんかしてねえぞ」

「部屋に彼女を連れ込んだのは認めるんですね?」

「同意のもとでのセックスだ」

「残念ながら、監禁されている女性は、あなたの支配下です。同意のもとでのセックスは成立しません。性行為があったのなら、それは強姦です」

代野は数秒考え込むと、言った。

「ゆりにもう一度聞け。あれはレイプじゃないと言うはずだ。刑事さんが誘導尋問してレイプにしたんだろ。あれをレイプと呼ぶには無理があるぜ」

初めて否定した。

「わかりました。双方の意見が食い違っているので、次の質問に移ります」

「レイプはしてねえ。誰一人、レイプはしてねえぞ」

「サイコロ野球拳を強要し、由恵さん、愛梨さん、海苛さん、綾香さん、すずさんを全裸にしましたか?」

「でも胸と股を隠していたからちゃんと裸を見れなかったぜ。邪悪な犯人なら大の字にさせただろ。でもそれは許してあげたんだ。死ぬほど恥ずかしいから無理ですってかわいく懇願するからよ。情状酌量の余地があるだろ?」

亜季は代野を思わず睨んでしまった。

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