《MUMEI》
神白奏真とあの少女
「へぇ…綺麗なところ何だな、異世界って」
全くもって綺麗だ。うん…いまオーガに追いかけられてることを除けばの話だが。
「奏真ぁ!!どうにかしてくれこの怪物!特異(特典異能力)でちゃっと!」
「あ、そういやあったなそんなの!んじゃ…ッらぁ!」
俺は神通力を全力で引き出し、本気でオーガを殴り飛ばした。
「おぉ、やはり奏真は強いのぉ!さすがじゃ」
「はぁ…こんなのがゴロゴロいんのか?ここには…っと!?」
俺がテラと話していると前方からつららに似た物が飛んできた。
「なんだこれ?…って、まだ飛んで来てやがる!」
そう言うと俺は力を発揮し全て砕いた、が俺は気づいて無かった。地面が凍っていることに。
「な…んだこれ!?地面が凍って…」
俺が驚いていると後ろにいたテラが少しおびえながら言った。
「これは…"氷結"の特典…!?バカな、この特典はもう…」
テラの声に反応して澄んだ少女の声が聞こえた。
「そう、この特天は...もう廃止、された...私が受け持ってから...」
そして俺はその少女を見てまた驚いた。なぜなら、俺が死ぬ前に助けたあの無口な少女だったからだ。

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