《MUMEI》 第三話『ガクエン』ーはぁ、やはり憂鬱だ。俺はその思いを胸に如月学園の門を通った。そして理事長の話を聞き、半ば強制的に入学が決まった。 如月学園はとても大きな高校で生徒数が1200人いる。設備も充分で学食は三ツ星シェフが作るらしい。そして何よりも四つに分かれている寮棟。 A棟が最上級クラスで優等生やら生徒会の寮と特別にシャワー室とテラスがある棟。 B棟が一般生徒でも優秀な生徒の棟。 C棟は一般生徒の中でも授業態度が悪い奴等の棟。 D棟は通称“監獄”と呼ばれ、一日の半分が勉強時間に回されるところで主に何か問題行動を起こした生徒が一ヶ月入れられる特別懲罰棟。 俺はA棟に入れるらしい。そして驚愕の事実が発覚した。さっき話していると理事長が 「いや、にしてもそのお人好しなところあいつにそっくりだね?」 理事長はそういいながら後ろの若い生徒二人が肩を組んで笑っている写真があった。 「あいつ?誰ですかその人」 「霧崎 雄司(キリサキ ユウジ)、君の父親だよ。」 「え!?父さんのこと知ってるんですか?」 「もちろん、私と雄司は親友で、この学園の前にあった進学校でいつもバカやって懲罰棟に入っては抜け出しての繰り返しでねぇ…26歳になってからすぐに世界を見たいって言ってどっかいったんだよね?」 「あ、はい…小さいときにたまに帰ってきて旅の話してくれるんですけど最近帰って来なくて…しんだのかなーと」 「ははは!何いってるんだね、あいつは死なないよ」 「そうですか…で、俺はいつ入学するんですか?」 俺は話をもとに戻してメモを取り出した。 「えーと、灯真君は16だったよね?なら夏休み明けに入ってきてくれればいい」 「え、夏休み明けって…今日8月31日ですけど…?」 「うん、制服や鞄、靴などは全てこちらで用意しよう」 「えぇえ…ありがたいけども…」 俺は小声でツッコんだ。 ていうかこれ本当に大丈夫なのか…? 前へ |次へ |
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