《MUMEI》

「あぁっ!!これ‥」


この反応からして、どうやら彼女の映画の好みが、ファンタジー系であるというのはガセネタではないらしい。


「俺、このチケット二枚持ってんだけどさ…」



デートに誘うには絶好のチャンスじゃねぇの!!



「一緒に行かね?」



ぃよ〜っし!!自然に言えたぜぃ!


さぁ、舞の返事は…?


「…いいよ。」


来ました!OKサイン!!

若干の間が気にはなるが、俺は心底喜んだ。


「まじ?じゃあ、明日!明日学校終わってから行かね?」



“善は急げ”とはよく言ったもんで、俺は早速、明日の予定に無理矢理デートの約束をねじ込んだ。

本当は、他に別の予定があったんだけど、それは無視した。


いや…


どうせ実行する事は無理だって‥むしろ、嫌だって思ってたんだ。




だって、明日はユキの誕生日。



毎年祝ってあげてたんだけど、あんな事があったからには…


普通な顔で会えねぇし…。

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