《MUMEI》 ツキビトトシニガミ「あ……」 少しばかりの沈黙が流れる。 「…今ので良かったのですか?まぁ、もう撤回はされないようですけどねぇ?」 「えぇ!?そんなっ!困ります!な、なんとかならないんですか?参加したくないです!お願いします、なんとかしてください!」 私が必死に懇願すると佐々木さんはにこっと笑って言った。 「まぁ、一つ方法があるんですが…やります?」 「え、あるんですか?…はい、お願いします…で、その方法って?」 「私の憑き人になってください、しかしこの方法だと荻篠澪さん、貴女は私が“死神王(シニガミオウ)”になるまで生き返れません。さ、どうしますか?」 私が脳の活動を五倍速めても理解できそうにないこの世界の理屈を並べられ、私は混乱していた。でも答えは一瞬で出た。 「はい、憑き人になります。」 佐々木さんはニィッと笑ってこう言った。 「分かりました。でも本当に良かったんですか?貴女は今から私の憑き人、そして仲間です、それはつまり……」 佐々木さんが言い終わる前に私の目の前に槍が飛んできた。風を切る音と共に。 「…私を狙う他のシニガミにもつけねらわれるんですよ?」 佐々木さんは片手で槍を掴みながらそう言った。 「え…あっ、あ……」 そして私は目の前の他の“シニガミ”にジッと見られ、やがてその人はこちらへ近付いてきた。 前へ |次へ |
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